読書の記録

スマホ見る時間を減らそう!と始めた「年間52冊=週1冊」目標の読書生活の記録です。

松浦理英子『最愛の子ども』

テレビで村田沙耶香さんが〈おすすめの恋愛本〉として紹介してたのを見て読んでみた。これって恋愛小説なのか??との疑念はさておき、とてもいい作品だった。

表面的には女子高生のたわいもない話なのかもしれないが、表現されていることはとても深く感じる。そもそも話は一部の事実を基にした想像上の物語、それを「わたしたち」という一人称を使うことで読書自身もその仲間にされていまっている感覚に陥る。

一方で愛情と恋愛の未分化な感情、幸せな家庭とそうでない家庭、その子供達への影響、男子と女子、リーダー格とグループの雰囲気、こんな色々なテーマが散りばめられていて、それを「わたしたち」視点でまるで箱庭を覗くような感じで眺めている自分もいる。

そしてそれらを表現する圧倒的に美しい文章。小川洋子さんや村田沙耶香さんの文章が好きな私にとって同じような素敵さがこの作品にはある。寡作な作家さんのようだが、他の作品も読んでみようと早速『親指Pの修行時代』を買ってきた!今から読むのが楽しみです。

※自身のブクログから転載しています。

 

読了日:2019年3月21月 評価:★★★★★ 

最愛の子ども

最愛の子ども

 

※テーマ画像は Gerd Altmann さんによる Pixabay からの画像をトリミングして使用しています。